Quantcast
Channel: 小父さんから
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4329

余禄  名匠、左甚五郎が作った… / 毎日新聞

$
0
0
日光東照宮の眠り猫~Wikipedia 

  

毎日新聞 2020年12月19日 東京朝刊

名匠、左甚五郎(ひだりじんごろう)が作った木彫りのネズミが動くとの評判で繁盛する宿屋。ねたんだ向かいの宿が地元職人にトラを彫らせる。トラににらまれたネズミはおびえたように動かなくなった。落語「ねずみ」である

▲話を聞いて甚五郎が来て見ると、何とも不出来なトラである。甚五郎に「なんであんな出来損ないにおびえるのか」と聞かれたネズミ、「あれトラなの? ネコかと思った」……落語、講談、浪曲で庶民の人気を集めた甚五郎だった

▲日光東照宮の眠り猫など甚五郎作と伝えられる建築装飾は全国100カ所近い建物にある。だがその年代は室町時代末から江戸後期まで300年間近くに及ぶ。この伝説的な名前は何人もの達人たちの仕事に支えられていたのである

▲この列島の歴史の始まりから無名の職人や地域の共同作業によって受け継がれてきた日本の木造建築の技術である。その「伝統建築工匠の技」がユネスコの無形文化遺産に登録される。能楽や和食などに続く国内22件目の登録という


17分野の技術の一つである「檜皮葺(ひわだぶき)」=共同  
▲対象の17分野は木工や左官、屋根の瓦ぶきやかやぶき、建具や畳作り、外観や内装の装飾、漆塗りなどなど。なかには職人の高齢化や後継者不足が技術の継承を脅かしている分野もあり、すべてが国の「選定保存技術」となっている

▲ユニークな伝統技術こそが文化の垣根を越えて「クール」と映る今日である。どうか文化遺産登録が若い世代の関心を引きつけてほしい。むろん海を越えて来て技を極める「甚五郎」が現れるのも歓迎だ。
 
 小父さんは建設会社に勤めていたがこのような「伝統建築工匠の技」には無縁だった。今年の初めに明石城跡の改修工事で一人で 漆喰(しっくい)塗りをされていた老齢の職人さんと会話することが出来た。城を模したトイレの壁から公園のすべてを自分一人でやってきたのだとのプライドも感じたが、このような人が居るからこその明石城跡なんだと思いにふけったね。この左官工事こそ一朝一夕には出来ないよね。昔々、タイル張りの親方から中学を出たばかりのお兄ちゃんが今で言うパワハラもいいところで仕込まれているのを見たことがあるが、あのお兄ちゃんも親方に育ったかな?後を継承していく若者もどんどん減っていく気がする。 

Viewing all articles
Browse latest Browse all 4329

Trending Articles