女の気持ち　教育ママ？　神戸市兵庫区・佐々木恵美（会社員・５６歳）　/　毎日新聞

写真はUG DOGSアトラスタワー中目黒店　店頭日誌からお借りした　　

　　
毎日新聞　　2020年9月5日　大阪朝刊

　もうすぐ２歳になる犬を飼っています。先代の犬が１７歳で亡くなった時には、もう犬は飼うまいと思っていましたが、縁があって家族となりました。やんちゃな、わが家の長男です。

　久しぶりに子犬から育てて驚いたことは、犬の幼稚園や保育園の存在です。犬同士の付き合い方や、人間と暮らすための社会化を学ぶというのです。通園バスでの送迎に、おそろいの制服。運動会に遠足。それに犬のママ友との交流など、人間の子ども顔負けで、本当に驚かされました。

　初めて飼った先代の犬のときは、飼い方の本を頼りに必死でしたが、そのうち、ご近所でお散歩仲間ができ、飼い主も犬も経験を重ねながら成長していったものです。それが今では、子犬の頃にきちんと社会化を教えないと、成犬になって問題が起きやすい。そのために幼稚園に通わせる風潮なのだそうです。

　わが家の犬も先日、幼稚園の体験に参加しました。楽しかったのかどうかは、犬は何も言いませんので分かりませんが、先生の連絡帳には、「今日は一日、お友達と楽しく遊びました」と書かれていて、笑ってしまいました。

　子どもを持てなかった私が犬の幼稚園に一喜一憂するのもおかしな話ですが、家族からは教育ママと笑われながらも、これからも通わせようかどうか思案しています。傍らの犬は我関せずですが。

　　
　とても楽しそうですね。私はペットを飼った経験がないのですが、早朝ウォーキングに出掛けると、たくさんの愛犬家の散歩に出逢います。皆さんよく小まめに世話されているなと感心しているのですが、こんな楽しさもあるんだとまた知識が増えました。そう言えば亡くなった私の長兄には子供も居なくて、義姉に先立たれ、義姉が可愛がっていた柴犬との暮らしで、年老いた愛犬が歩けなくなるともっと年老いた兄が抱いて散歩から帰ってきたり、愛犬にも先立たれてからはアルバム一冊にぎっしりと写真が納められていたのを思い出しました。

　「犬同士の付き合い方や、人間と暮らすための社会化を学ぶ」なんて私の孫と全く同じ時間を送っているのですね！日頃の孫の習性もワン君にとても似ているなと思っていたところでした。佐々木恵美さん愉快なお話をありがとうございました。