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男の気持ち 愛すべき方言 横浜市金沢区・平戸嘉之(団体職員・56歳)/ 毎日新聞

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   熊本日日新聞から

   

毎日新聞 2019年10月12日 東京朝刊

 関東に住んでいて同郷の熊本出身の人と知り合ったとき、決まって出てくる話題がある。普通に使っていた言葉が実は方言だった、という類いの話だ。先日も横浜にある熊本料理の店で話に花が咲いた。

  ランドセルは「からう」ものだと思っていた、と一人が言えば、遊びの輪に入れてもらうとき熊本の子どもは「かてて」と言うよね、と別の誰かが思い出す。漢字を当てると「加てて」だろうか。ちなみに関東ではランドセルは背負うものであり、子どもが遊びの輪に加わりたいときには「入れて」「まぜて」と言うのが一般的だ。

 標準語の「掃く」も、九州人にとっては「はわく」のほうがしっくりくるが、実際、「はく」より「はわく」と言ったほうがきれいに掃除ができそうに思うのは気のせいだろうか。

 「目にオヒメサンができた」という独特の言い回しはさすがに方言だと認識していたが、かといって標準語に置き換えるとなると「ものもらい」という単語がなかなか思い出せない。

 熊本に帰省した際に耳にする熊本弁はひどく懐かしい。タクシーの運転手や市電でおしゃべりしている高校生。方言も時代とともに、はやりすたりがあることが分かる。

 実家で早い時間から飲み過ぎてしまったときなど、今は亡き母から決まってこう言われたものだ。「なごなっときなっせ」

 長くなって(体を横にして休んで)おきなさい、の意味だがこの言葉も母の思い出と重なり私が好きな熊本弁の一つだ。
  
 私も博多で育ったので熊本弁によく似ていますが関西が長く、博多弁を使う機会がまったくないので、もう博多弁を忘れています。でも遊びの輪に加わりたいとき関東で「まぜて」と表現するとは、また「はわく」が九州弁だったとは知りませんでした。こうやって活字で九州弁に出会うとなつかしいものです。しかし、関西に長く暮らしているのに、今朝の朝ドラ「スカーレット」で話していた大阪の「荒木荘」の女主人役の話し言葉に聞いたことない単語表現がたくさん出て来て「あれ?」なんて思ったところでした。やはり九州弁は今使ってはいませんが、活字にするとよく分かりますね。平戸嘉之さん、どうも有難うございました。私は現在72歳です。

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