福本さん、平易な解説有難うございます。先日歩いていたら消費税10%upの署名運動を求められましたので、私は即刻「消費税は上げるべきだ」と伝えました。安倍さんも、反対野党もただの選挙キャンペーンだけやっていて国の財政がどっちを向いているのか分かっていないのじゃーないかな?と思いたくなりますね。
以前、安倍さんは世界の経済学者を官邸に?招いて消費税は今上げるべきではないという方向づけをし、伊勢志摩サミットでも『リーマン・ショック級の状況』に近いという印象を醸し出し、再増税を先送りする根拠にしたのじゃーなかったかな?そして「今後10年間上げる必要はない」???、分かってそう言っているのか、何も分かっていないのかと疑いたくなりますね。まあ、日本の財政が破綻する頃には 小泉進次郎氏くらいしか残っていないのかも知れませんが・・・。
毎日新聞 2019年7月17日 東京朝刊 <sui-setsu>
消費税が10月から10%に上がる。懲り懲りなのだろう。「安倍晋三首相は今後10年間ぐらい上げる必要はない」と漏らした。
野党はといえば、10%を凍結せよとか、取りやめよとか、反対コール一色だ。
みんな不正直。
政治家があえて触れない数字がある。20兆2000億円。消費税を10%に引き上げても、まだ足りない社会保障費の財源だ。
今年度予定される年金、医療、介護、子育て関連の公費が計42兆円。消費税収は21兆8000億円。不足が年間20兆2000億円(財務省「日本の財政関係資料」)。増税の効果がフルに出る来年度も20兆円近く足りない模様だ。
穴は相変わらず新たに借金をして埋める。これで10年安心?
「税収を私たちはしっかりと社会保障の充実に使っています」。安倍さんは胸を張る。
「社会保障の充実に使う」は、響きが良い。でも、あえて家計に例えると、こんな話になる。
安倍家(仮称)は、おじいちゃんとおばあちゃんにお金をかけ過ぎてきた。夫婦の収入では到底足りず、毎月の借金は25万円近い。
借金はいつか子どもたちにのしかかる。利子負担もいずれ増えるだろうから、夫婦でアルバイトもし、毎月の借金を減らそうとした。
でもせっかく収入が増えるのだから、と子どもたちにも、さらにおじいちゃんたちにも、もっとお金を使うことになった。
結果、いまだに月20万円の借金生活。でも、もうよいでしょう、子どもたちも借金に気づいていないし、と安倍さん。バイトなんかやめなさい、と近所のみなさん。
では、あとどのくらい安倍家が稼いだら(消費税を何%まで上げたら)本当にもうよし、なのか。
国際通貨基金(IMF)は、最低でも15%まで、と言い、 経済協力開発機構(OECD)は、さらに財政を十分安心といえるレベルまで改善させるには、20~26%にすべし、と指摘している。
選挙を考えたらとても口にできない話だろう。だからこそ、政争の具にしない工夫が必要になる。
例えば、財源が十分といえる水準まで、消費税を毎年1%ずつ機械的に上げていく。増収分を新たな政策に使わない。そういうルールを与野党で決めておく。呼びかけは当然、与党から。
肝心なのは、いつまでどれだけ負担すると何がどう変わるのかが国民に見えること。増税の時期がコロコロ変わらず、衆院の解散とからんだりしないことだ。
要はこれまでの逆、を実行するだけでいい。(論説委員)