映画『Shall we ダンス?』から
とっても楽しい「女の気持ち」が掲載された。中村起代子さん、男ってチャーミングですよね!プレイボーイなんて呼ばれる連中もいるけど、一握りではないんですか?(笑)。外で散々神経をすり減らして帰って来て「お父さん、臭い」なんて言われた日には、もう通勤電車の中だけが自分の世界になってしまう。中高年の男性へのエール私からもお礼申し上げます。はい、私は元中高年の71歳です!
松本志津子さんは素敵なご主人ですよね。それ以上に松本さんはお優しい!読んでいて昔の私を書かれているような気になりました(笑)。もっともファンクラブやら握手会こそ経験はありませんが、テレビこそ罪のない恋の機会なんでしょう。それでストレスが解消出来てまた仕事に頑張れるなら最高です。私が見て来た人には酒や女で家も売り飛ばした方もいましたね。男って本質的には純情なんでしょう。楽しい投稿を有難うございました。
中高年の男性へ 兵庫県加古川市・中村起代子(会社員・44歳)
毎日新聞 2019年5月11日 大阪朝刊
日本の中高年男性は可愛い。いや、可愛い方が多い。いや、もしかして私の周りにだけ多いのかもしれない。
かく言う私も40代なので、しっかり中高年である。海外でのオフィス勤務も経験したが、ここ十数年は日本で働いている。上司、同僚、そして仕事を通じて知り合うクライアントはやはり男性が多い。年齢は年上から年下まで幅広いが、私が感じる可愛い男性は同年代から年上の方が圧倒的に多い。
彼らは職場でも、たまにある懇親会などでも、私と対峙(たいじ)する際は少し緊張している。仕事上、私が英語を話すと知っているためか、下手なことを言えば裁判沙汰にされると警戒しているのかもしれない。
しかし、私からすると彼らの日常の方が目新しく、何の話であれ面白い。お酒が入って自分の好きなことを楽しそうに話す男性は、たとえ20歳以上年上でも可愛いのだ。
そして彼らは周りの女性たちから嫌われぬよう加齢臭なるものを消す努力を日々怠らない。セクハラにならぬよう女性への対応はとても遠慮がちだ。なぜか自信満々な海外の男性に比べ、なんと奥ゆかしく、いじらしいことか。
日々、仕事で上司や部下から難題を課され、家庭では「お父さん、臭い」と虐げられている中高年男性に私は言いたい。あなた方は愛すべき生き物である。そのガラスのハートを、もっと皆が大事にしてくれたらいいのにね。
夫の恋 さいたま市見沼区・松本志津子(主婦・48歳)
毎日新聞2019年5月11日 東京朝刊
夫が恋をしている。もう、2年ほど前から。しかも、相手は夫より12歳年上。しかも、私より12キロほど軽い。
始まりは朝食後のコーヒータイムにラジオから流れた一曲だった。夫が高校生の頃に大ヒットした切ないラブソングだ。
聴きながら夫は遠くを見ていた。この曲を歌うはかなげな彼女のファンだった10代の頃をつかの間プレーバックしていた。
夫の思いは5年ほどで薄らぎ、もうすっかり遠い存在になっていたのだが、曲の後、番組にゲスト出演していた彼女が今もシングルでいることを明かすと、驚いた後で、なんともやるせない表情を浮かべた。
まるで、昔別れた恋人が、その後もずっと自分のことを忘れられずに独りでいることを知った時のような苦しげな表情に、「あんた、ばかちゃう?」の一言を何とかのみこんだ。
その後は20年のブランクを埋めるかのように彼女のCDを聴き、ネットで動画鑑賞の日々。3カ月後には、とうとうファンクラブに御(ご)入会。コンサートに行って握手会の行列に並び、約20秒の御歓談。彼女が出演するラジオ番組にメールを送り、読まれるたびに妻の私に興奮状態で御報告。そのたびにいちいち驚いてあげる、浴槽よりも深い妻の愛。
それでも私は、夫の恋に感謝している。3年前、仕事が大変で元気がなかった頃の夫を思いだすたびに彼女に御(お)礼が言いたくなる。そして懇願したくなる。
「御結婚は、夫の恋が冷めてからにして頂けないでしょうか」
とっても楽しい「女の気持ち」が掲載された。中村起代子さん、男ってチャーミングですよね!プレイボーイなんて呼ばれる連中もいるけど、一握りではないんですか?(笑)。外で散々神経をすり減らして帰って来て「お父さん、臭い」なんて言われた日には、もう通勤電車の中だけが自分の世界になってしまう。中高年の男性へのエール私からもお礼申し上げます。はい、私は元中高年の71歳です!
松本志津子さんは素敵なご主人ですよね。それ以上に松本さんはお優しい!読んでいて昔の私を書かれているような気になりました(笑)。もっともファンクラブやら握手会こそ経験はありませんが、テレビこそ罪のない恋の機会なんでしょう。それでストレスが解消出来てまた仕事に頑張れるなら最高です。私が見て来た人には酒や女で家も売り飛ばした方もいましたね。男って本質的には純情なんでしょう。楽しい投稿を有難うございました。
中高年の男性へ 兵庫県加古川市・中村起代子(会社員・44歳)
毎日新聞 2019年5月11日 大阪朝刊
日本の中高年男性は可愛い。いや、可愛い方が多い。いや、もしかして私の周りにだけ多いのかもしれない。
かく言う私も40代なので、しっかり中高年である。海外でのオフィス勤務も経験したが、ここ十数年は日本で働いている。上司、同僚、そして仕事を通じて知り合うクライアントはやはり男性が多い。年齢は年上から年下まで幅広いが、私が感じる可愛い男性は同年代から年上の方が圧倒的に多い。
彼らは職場でも、たまにある懇親会などでも、私と対峙(たいじ)する際は少し緊張している。仕事上、私が英語を話すと知っているためか、下手なことを言えば裁判沙汰にされると警戒しているのかもしれない。
しかし、私からすると彼らの日常の方が目新しく、何の話であれ面白い。お酒が入って自分の好きなことを楽しそうに話す男性は、たとえ20歳以上年上でも可愛いのだ。
そして彼らは周りの女性たちから嫌われぬよう加齢臭なるものを消す努力を日々怠らない。セクハラにならぬよう女性への対応はとても遠慮がちだ。なぜか自信満々な海外の男性に比べ、なんと奥ゆかしく、いじらしいことか。
日々、仕事で上司や部下から難題を課され、家庭では「お父さん、臭い」と虐げられている中高年男性に私は言いたい。あなた方は愛すべき生き物である。そのガラスのハートを、もっと皆が大事にしてくれたらいいのにね。
夫の恋 さいたま市見沼区・松本志津子(主婦・48歳)
毎日新聞2019年5月11日 東京朝刊
夫が恋をしている。もう、2年ほど前から。しかも、相手は夫より12歳年上。しかも、私より12キロほど軽い。
始まりは朝食後のコーヒータイムにラジオから流れた一曲だった。夫が高校生の頃に大ヒットした切ないラブソングだ。
聴きながら夫は遠くを見ていた。この曲を歌うはかなげな彼女のファンだった10代の頃をつかの間プレーバックしていた。
夫の思いは5年ほどで薄らぎ、もうすっかり遠い存在になっていたのだが、曲の後、番組にゲスト出演していた彼女が今もシングルでいることを明かすと、驚いた後で、なんともやるせない表情を浮かべた。
まるで、昔別れた恋人が、その後もずっと自分のことを忘れられずに独りでいることを知った時のような苦しげな表情に、「あんた、ばかちゃう?」の一言を何とかのみこんだ。
その後は20年のブランクを埋めるかのように彼女のCDを聴き、ネットで動画鑑賞の日々。3カ月後には、とうとうファンクラブに御(ご)入会。コンサートに行って握手会の行列に並び、約20秒の御歓談。彼女が出演するラジオ番組にメールを送り、読まれるたびに妻の私に興奮状態で御報告。そのたびにいちいち驚いてあげる、浴槽よりも深い妻の愛。
それでも私は、夫の恋に感謝している。3年前、仕事が大変で元気がなかった頃の夫を思いだすたびに彼女に御(お)礼が言いたくなる。そして懇願したくなる。
「御結婚は、夫の恋が冷めてからにして頂けないでしょうか」