2005年に、最寄りのJRのプラットホームで上の大きなポスターにつられて駅横のワーナーマイカルシネマズにフラフラと入って行ったら、もうこの映画のとりこになってしまったね。12月31日までに繰り返し計3回観たんだな。それまでは映画館に長いこと行ってなかったのに(笑)。
その後、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』も 『ALWAYS 三丁目の夕日'64』も劇場に駆けつけたので少々食傷気味になっていたが、ストーリーも分かっているのに、今日も最後までじっくりと楽しめた。うんうん、最初観た後、やたら人に勧めまくっていた(笑)。映画評論は出来ないけれど、やはり優れているんだろうね!
映画批評家によるレビュー
佐藤忠男によれば、昭和33年を念入りに再現した本作は、CGの活用の仕方のひとつのマイルストーンになると評価する。風俗の描写が緻密でよく出来ているとも述べている。役者については、吉岡秀隆は好演、堤真一は当り役、三浦友和は当時の雰囲気を感じさせるとしている。
石飛徳樹によれば、昭和33年の風景を見るだけならば、いくらCGで上手く再現したとしても小津安二郎などの昔の映画には敵わないが、本作は当時を子供目線で再現することで昔の映画に対し差別化をしていると述べている。そのため、大人なら見える世の中の汚い部分や〔社会〕問題は切捨てられ、夢と希望に満ちた物語となっている。本作が本当に再現したのは、〔昭和33年の風景などではなく〕当時の人々の素朴な心の動きだとも断言する。〔シナリオ的には、〕「原因」(例えば、賞味期限の切れたシュークリームに興味を示す六子)と「結果」(腹痛に苦しむ六子)の間に、ただ単純に時間経過を置くだけで「原因」は「伏線」に昇華され、観客を笑わせたり、あるいは泣かせることに成功している。
評論家の川本三郎は「単なるノスタルジー」という批判に対し、次のように擁護している。大きな過去は歴史として尊重されるが、祖父母や父母が生きてきた近過去は否定される。おかしな話である。近過去を大事に思い出す。それは自分の足元をしっかりと固めることであり、亡き人々を追悼することでもある。~
キネマ旬報社、2007年10月
イラストレーターの安西水丸は『ホテル・ルワンダ』が満員だったので仕方なく鑑賞した。役者達の演技は皆よかったが、鈴木一平役の小清水一輝と母親役の薬師丸ひろ子が印象的だったと書いている。
批評家の石岡良治は、当時の日本にあったはずの不衛生な臭いが表現されてない、無菌化されていると否定的なニュアンスで語っている。 ~ 以上wiki
なかなか手厳しい意見もあるが、やはり多くの人の注目を浴びるほど面白い作りだったことは確かなんだろう。
映画「ALWAYS 三丁目の夕日」劇場予告