今の日本はテレビを点ければ、どこのチャンネルでも大相撲騒動をやってるね。また昔、むかしを思い出すと(笑)、福岡の青春時代にはテレビでの大相撲放送はNHKと同時に民放が2つはLIVE放送をやっていた。それだけ人気もあったんだろう。
日頃民放は、大相撲の取組結果をちょっと時間を取るだけなのに、今ワイドショーは毎日、とても長い時間を費やしている。驚いたのはNHKの23時55分から15分間のニュース解説時論公論でもやっていた(汗)。
うん、牧太郎さんに大賛成だね。大相撲問題はニュースで要点だけちょっとやることにして、解り易い政治解説の時間をもっと取りましょう!今、選挙が人気投票に成り下がりつつあるから・・・。そういう小父さんもアメリカやサウジアラビアにイギリスの方が動いているだけに面白いけど!
大相撲より「政界のうみ」を! / 牧太郎の大きな声では言えないが…
毎日新聞 2017年12月5日 東京夕刊
「北海道開拓使官有物払い下げ事件」をご存じだろうか?
明治の初頭、政府は北海道の開拓に力を入れ、1869(明治2)年7月に「開拓使」という新しい官庁を作った。後に長官になったのは箱館戦争の“官軍総大将”だった元薩摩藩士・黒田清隆。10年たって、事業の民営化が検討され、黒田は約1500万円投じた開拓事業(船舶、倉庫、農園、炭鉱、ビールなど)を薩摩出身で政商の 五代友厚と、長州人脈の実業家の中野梧一に僅か30万円、それも「無利子で30年の年賦」で払い下げようとした。
1500万円が50分の1の30万円? そんなばかな!である。
「悪徳の取引」が闇から闇に実行されそうになった81(明治14)年7月26日、「東京横浜毎日新聞」がこの疑惑をスクープした。翌日「郵便報知新聞」が続報。続いて「朝野新聞」……。最後は(当時、政府寄りと言われていた)福地桜痴の「東京日日新聞」(現毎日新聞)が疑惑追及キャンペーンの先頭に立ち、世論は沸騰した。
これが「北海道開拓使官有物払い下げ事件」である。読者は「どこかに似たような話があったな?」と気付かれるだろう。
その通り! タダ同然で国有地を手に入れた「森友学園」のケースとうり二つである。しかし、メディアがこぞって「不正」を追及したのは同じだが「結末」が大違いだった。
「北海道--」の方は、騒ぎに驚いた明治政府が同年10月11日、 天皇が東北・北海道視察から帰るのを待って「官有物払い下げ取り消し」を決定。民権派が要求していた「国会開設」の時期を発表した。新聞史上初のキャンペーン報道が政局を動かした。
「森友」はどうだろう?
会計検査院が国有地の値引きについて「根拠不十分」と指摘したが、キーマンである「森友学園」の 籠池泰典、諄子夫妻は長期勾留されたままで、真実は解明されていない。そればかりか“インチキ払い下げ”を画策した役人が出世している。
メディアの力不足である。テレビの情報番組は視聴率が高ければいい!と「大相撲騒動」に血道を上げ「政界のうみ」を放置している。
それでいいのか?
日本は「封建時代の悪政」に逆戻りしようとしている。(客員編集委員・サンデー毎日元編集長)
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