いいですね~。私もお喋りですからその気持ちよく分かります(笑)。時として、むつーっとしていますが、それでこのブログで発散しているようなところもあるんだと思います。
私を含めて概ね九州人は、しゃべり出したら相手の感情や、表情なんか関係なしにしゃべり続ける傾向な気がします。関西人の家内に言わせると「関西人は相手の顔を見ながら話す」のだそうです。
>やっと夫の口から出た言葉が、「しゃべりやなあ」だった。
最高の語らいでしたね!香川秋子さん、どうも有難うございました。小生は69歳のひよっ子です。
毎日新聞 2017年3月3日 大阪朝刊
「お母さん、口チャック。貝よ!」
私が外出するときや電話の受話器を持ったとき、娘たちが言う。
男5人、女2人のきょうだいの中で、小さいときから一日中歌っているかしゃべっている私を、父は「さえずり姫」と言って溺愛した。その父が「嫁に行ったら、その口は閉じて静かにせんとあかんで」と言った。
嫁いでから父の言いつけを守っていたら、「いつも機嫌が悪い」と、婚家で言われた。やがて3人の子どもを授かり、夫の家族と暮らすには狭く、別所帯になり、私も勤めに出た。
H百貨店の婦人服売り場の販売員になり、水を得た「さえずり姫」はお客様との会話が楽しく、「あなたがお休みの日は寂しくて、何も買わずに帰ります」などと言われると、おだてに弱い私は木にも登る気分になった。夜、床の中で、「いらっしゃいませ。ありがとうございます」と大きな声で寝言を言って、寝ている夫を何度もびっくりさせた。
おしゃべりに磨きがかかり、娘たちは「口チャック。その口、貝になって」と言う。極めつきは、夫がくも膜下出血で倒れたときだった。主治医に「常に語りかけてください」と言われ、27年5カ月、夫が他界するまで語りかけた。やっと夫の口から出た言葉が、「しゃべりやなあ」だった。
「お母さんはひつぎに入っても口だけは動いているよ」と娘たち。では少し貝になりま……。なれまへん!