作家の高橋源一郎さん=竹内紀臣撮影
居る居る、そんな人って確かに居るね~。小父さんの最近は居ないけど、かってその声がしているだけでイライラしていたことがある。他人は何ともないのだろうか!?とよく思っていた。高橋さんの「カラオケや小鳥が、ピーピーさえずっているのだと思え」って名案だな。さて、次にそんな人が現れたらうまくいくかな?(笑)
毎日新聞 2016年2月6日 東京朝刊
職場に私と同年代の女性で、いつも怒ったような話し方をする人がいます。いつも説教されているような気持ちになり不愉快です。そうではない話し方の時もたまにありますが、それは自慢話をする時です。私は彼女と話をすることも、声を聞くことも嫌でたまりません。仕事の都合上、関わらないわけにはいきません。どうすれば彼女と話しても不愉快に感じずにいられるでしょうか。(40代・女性)
話したくない相手がいる人はとても多いようです。とにかくその人の話を聞くのが苦痛でしかたない。じゃあ、その人と会わなきゃいいじゃないか……っていっても、それが職場の同僚だったり、学校の友人だったりしたら、会わないわけにもいかない。どうしたらいいのか。
その人は、あなたに向かってしゃべっているんじゃなくてカラオケで歌っているんだ、と思うことにしたらどうでしょう。
意味あることばをしゃべっているんじゃなくて、ただ歌詞をマイクに乗せてるだけ。ほんとうにあなたに向かっていってるんじゃなくて、聞かせる相手は誰だっていいわけです。要するに、ひとりで歌いたいだけなんだから。聞き流せばいいんですよ。そのうち疲れて歌うのをやめてくれるかもしれません。
いや、あなたの目の前にいるのは、人間じゃなく小鳥で、ただピーピーさえずっているのだと思うことにしてはどうでしょう。可愛いものじゃないですか。
もちろん、世の中には、意味のある会話があり、深く考えられたことばを発する人もいます。でも、それは極々(ごくごく)例外ではないでしょうか。カラオケか小鳥のさえずりの方がずっと多い。なのに、向けられたすべてのことばに律儀(りちぎ)に反応していたら、ビョーキになっちゃいますよ!
あっ……いま思い出したけど、ぼくはテレビの国会中継を見てると、カラオケみたいだなあとよく思うんですね。いかんいかんちゃんと聞かなきゃ。(作家)
居る居る、そんな人って確かに居るね~。小父さんの最近は居ないけど、かってその声がしているだけでイライラしていたことがある。他人は何ともないのだろうか!?とよく思っていた。高橋さんの「カラオケや小鳥が、ピーピーさえずっているのだと思え」って名案だな。さて、次にそんな人が現れたらうまくいくかな?(笑)
毎日新聞 2016年2月6日 東京朝刊
職場に私と同年代の女性で、いつも怒ったような話し方をする人がいます。いつも説教されているような気持ちになり不愉快です。そうではない話し方の時もたまにありますが、それは自慢話をする時です。私は彼女と話をすることも、声を聞くことも嫌でたまりません。仕事の都合上、関わらないわけにはいきません。どうすれば彼女と話しても不愉快に感じずにいられるでしょうか。(40代・女性)
話したくない相手がいる人はとても多いようです。とにかくその人の話を聞くのが苦痛でしかたない。じゃあ、その人と会わなきゃいいじゃないか……っていっても、それが職場の同僚だったり、学校の友人だったりしたら、会わないわけにもいかない。どうしたらいいのか。
その人は、あなたに向かってしゃべっているんじゃなくてカラオケで歌っているんだ、と思うことにしたらどうでしょう。
意味あることばをしゃべっているんじゃなくて、ただ歌詞をマイクに乗せてるだけ。ほんとうにあなたに向かっていってるんじゃなくて、聞かせる相手は誰だっていいわけです。要するに、ひとりで歌いたいだけなんだから。聞き流せばいいんですよ。そのうち疲れて歌うのをやめてくれるかもしれません。
いや、あなたの目の前にいるのは、人間じゃなく小鳥で、ただピーピーさえずっているのだと思うことにしてはどうでしょう。可愛いものじゃないですか。
もちろん、世の中には、意味のある会話があり、深く考えられたことばを発する人もいます。でも、それは極々(ごくごく)例外ではないでしょうか。カラオケか小鳥のさえずりの方がずっと多い。なのに、向けられたすべてのことばに律儀(りちぎ)に反応していたら、ビョーキになっちゃいますよ!
あっ……いま思い出したけど、ぼくはテレビの国会中継を見てると、カラオケみたいだなあとよく思うんですね。いかんいかんちゃんと聞かなきゃ。(作家)