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牧太郎の大きな声では言えないが…:白洲次郎と安倍首相 / 毎日新聞

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 米上下両院合同会議で演説する安倍晋三首相(2015年4月29日撮影)〔AFPBB News〕    

   面白い!だけど、いつもコメント下さるブロ友の皆さん、スルーしていただいてけっこうですよ。  

  

牧太郎の大きな声では言えないが…:白洲次郎と安倍首相

毎日新聞 2015年11月09日 東京夕刊

 若い頃、手のつけられない暴れん坊だった「豪商の次男」白洲次郎(1902〜85年)は、イギリス留学後、語学力を生かし、英字新聞「ジャパン・アドバタイザー」記者になった。

 第二次大戦の敗戦後、東久邇内閣の吉田茂外相に頼まれ終戦連絡中央事務局参与になったのは、日本人の誇りを持ち、GHQ(連合国軍総司令部)と堂々と渡り合う人物は他にいなかったからだ。

 51(昭和26)年9月8日のサンフランシスコ講和条約調印の直前。外務省の「吉田茂首席全権受諾演説」の原稿を見て、白洲は激怒した。
   
※プリンシプル(principle・・・原理、原則 、主義 、根本 、要綱、立前 )  


 「どうして、日本語でやらないんだ!」。しかも、内容はGHQのチェックを受けている。白洲は日本語に直せ!と命じた。サンフランシスコのチャイナタウンで買い求めた和紙に毛筆で書いた演説は長さ30メートル。巻くと直径10センチ。世に言う“吉田トイレットペーパー”(下)に「奄美大島、琉球諸島、小笠原諸島の返還」の文言を盛り込んだ。
    

 戦後70年。安倍晋三さんは4月29日、日本の首相として初めて、米国連邦議会上下両院の合同会議で演説した。英語だった。

 日米は希望の同盟!と訴え、議場は拍手喝采だった。でも、僕は「屈辱的なもの」を感じた。

 事実、アメリカのメディアは、英語の原稿を棒読みする首相を「まるで中学生の英語スピーチ大会だ」と笑い者にした。原稿に日本語で「顔上げ、拍手促す」「次を強く」などと“あんちょこ”が書かれていた。

 なぜ、英語なのか? なぜ「夏までに安全保障関連法案を通す」と約束したのか?

 アメリカは安保関連法が成立するのを待っていたかのように、中国が「領土」と主張する南シナ海の人工島から12カイリ以内の海域にイージス艦を派遣した。緊張は高まる。

 世界は、あの安倍演説を“アメリカの子分”宣言!と受け取っている。

 母国語を選んだ「英語の達人」白洲次郎。相手国語を選んだ安倍首相。あなたなら、どちらの「外交力」を支持するだろうか?(客員編集委員) 
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