記事/女の気持ち:郡上おどり　岐阜県垂井町・加藤久美子（会社員・５１歳）

　写真は団塊のブログ　こだわりの「物」がたりからお借りした　

毎日新聞　2012年09月08日　中部朝刊


　私、妹、妹の友達の３人で、毎年郡上の徹夜おどりに出掛けている。もう１０年以上続けている大切な夏の行事だ。

　ところが、さあ行こうと思った途端、すごい雨。どうしよう。郡上の市役所に問い合わせると、「ひどい雨ですが中止ではありません。踊っています」という返事だった。

　弁当忘れても傘忘れるなと言われるくらい、雨の多い街であることは百も承知。きっとやんでくれる、という希望を持って出かけた。

　期待は見事に裏切られたが、会場ではかっぱを着たり、手拭いをかぶって大勢の人が踊っていた。しばし、ぼうぜんと人の流れを見ていた時、妹が「あのおばあちゃんを見て」と指す。

　８０代ぐらいの本当にちっちゃなおばあちゃんが「郡上おどり」という文字が入った手拭いと浴衣を身にまとい、足袋を履いて雨の中、ひとり悠然と踊っていた。「こういう人が伝統を守っているんだよね」という妹の言葉に深くうなずいた。

　　

　　　　　　　　いつか行きたい場所、また行きたい場所 郡上　



　「郡上おどり」のことはNHKの朝ドラ『さくら』　でさわりだけ知った。ハワイホノルルと東京、飛騨高山、郡上八幡などが舞台の面白いドラマだったな。“ぐじょうはちまん”という読みそのものに風情を感じた。

　しかし、この踊りは徹夜でやるの？そして土砂降りの中でも！！！そうだな〜、雨で体育館の中に場所を移しても盛り上がらないだろうね。むしろ「土砂降りなんのその〜！」という方が志気が上るんだろう。ただし観光客等の見物人は減ったかな？(笑)。80代のおばあちゃんは風邪ひかなかっただろうか。でもこんな祭りを持っている人たちは羨ましい。

　よく考えると小父さんもゴアテックスの雨合羽着て山道をルンルンで歩いたね(笑)。


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