資本金4399億100万円 、従業員数20万260人 、米国・原子炉の設計ほかもやるウェスティングハウス・エレクトリック・カンパニーLLCも子会社にしている超一流企業の東芝が千五百億円を超える利益の水増しだとか。
国やマンモス企業の懐具合は庶民には想像もつかないね!利益隠しで国税が摘発なんてのは山のように聞いてきた話だが・・・。
毎日新聞 2015年07月22日 東京朝刊「あんな生活にはもう二度と戻りたくない」
東芝関連会社で社長を務めた男性は重い口を開き、東芝の経営トップからの強い圧力にさらされ続けた在職当時を振り返った。
東京都港区の東芝本社で毎月開かれる事業報告会は「社長月例」と呼ばれ、経営幹部からの糾弾の場だった。「なぜ目標を達成できないんだ」。業務報告は通常20分程度で終わるが、予算が達成できていない時は延々と責め立てられる。早朝、田中社長から直接電話で「何で利益を出せないのか」と怒鳴られた経験も一度や二度ではない。
第三者委員会の報告書は田中社長だけでなく、歴代トップが厳しい口調で「チャレンジ」と呼ばれる高い利益目標の達成を要求し、現場が利益水増しに手を染めていった実態を詳細に明らかにした。
「まったくだめ。やり直し」。2012年9月20日、東芝本社で開かれた「社長月例」。当時の佐々木社長は赤字見通しを報告したパソコン事業の担当幹部を叱責し、赤字幅縮小を指示した。その後も赤字見込みは拡大したため、9月27日の会議で佐々木氏の怒りが爆発した。「(中間決算の期末まで)残り3日で(損益を)120億円改善しろ」。トップの実現不可能な要求に窮した現場は会計を操作し、帳簿上で赤字を縮小するほかに選択肢はなかった。
西田氏もリーマン・ショック直後の08年11月の社長月例で、パソコン事業の赤字報告を受けて、担当者を「話にならない」と問い詰めた。101億円の黒字目標を「達成してほしい」と担当者に強く迫った結果、パソコン部品の取引を巡る利益の水増しで翌月には207億円もの利益を積み上げた形となった。
このような経営トップの過剰なまでの利益至上主義は、「内部の派閥争いと無関係ではない」と関係者らは口をそろえる。会長時代の西田氏は、社長の佐々木氏が十分な業績を上げていないなどと経営手腕を社の内外で批判し、対立が激化した。「こんなことでは駄目だ。なっていない」「お言葉ではございますが」。ある東芝幹部は、取締役会のたびに西田氏と佐々木氏が言い争う光景が繰り返されていた、と証言する。
前任者への対抗心から、高い利益を計上したいとの思いが現場への圧力を強め、東芝を不正会計の泥沼に引きずりこんでいった。