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中日春秋 <都会の絵の具に染まらないで帰って> / 中日新聞

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全国で唯一店舗がなかった鳥取県にオープンしたスターバックス。開店前には約千人の列ができた=23日午前6時ごろ、鳥取市     

  

中日春秋 <都会の絵の具に染まらないで帰って>

中日新聞 2015年(平成27年)5月26日(火)

<都会の絵の具に染まらないで帰って>。太田裕美さんが歌った「木綿のハンカチーフ」は一九七五年の発表なので四十年前である。東京へ向かった「恋人」が<都会の絵の具>で変わることを心配している。四十年前の二人は現在どうしているか。つい空想したくもなる

▼作詞は東京都出身の松本隆さんだが、地方に住む人間にとって<都会の絵の具>は魅力でもあり、染まってはならぬ警戒の対象でもあったのだろう

▼石川県出身の同僚がある「告白」をした。子どもの時、東京に行った。東京駅で小さなポリ袋を広げ、<都会の空気>を詰めて帰った。都会の人なら笑うだろうか。それでも「少年」は憧れを持ち帰りたかった

▼コーヒー全国チェーンのスターバックスがJR鳥取駅にオープンした。話題になったのは日本で唯一、スターバックスの店舗がない都道府県だったためで、開店時には約千人の行列ができたという。味わいたかったのはコーヒーよりも<都会の空気>かもしれない

▼「染まりすぎないで」とは大きなお世話だが、スターバックスに限らず、日本中どこへ行っても都会めいた全国チェーン店舗の並ぶ光景がちょっと心配でもある。判で押したような「同じ顔」をした地方の街

▼家に帰った「少年」は開けた袋の空気にどんな匂いを嗅いだのだろう。聞き忘れたが、案外、感慨もわかなかったかもしれぬ。


    

太田裕美 木綿のハンカチーフ
 

  

  小父さんの故郷は福岡だが、帰るたびに街づくりを東京から直輸入しているように思える。日本中がリトル東京を作っている気がするんだな。今まで、小父さんが仕事のほとんどを関わってきた神戸の街は実に自分たちの文化を守ってきたように思っていた。ところが、この5年くらいの間に急に街中に超高層のマンションが雨後の竹の子みたいに建ちはじめて神戸らしさが無くなっていくように感じる。

 先日から兵庫の北の方を車で走っていたらどんな小さな市にでもコンビニエンスストアに家電量販店、スパーマーケットに紳士服店、ホームセンターなどが、まるでセットのようにに並んでいた。都市化や発展って画一化なのかな~?

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