毎日新聞 2012年08月11日 19時21分(最終更新 08月11日 19時36分)
吉田昌郎・福島第1原発前所長のビデオでの発言全文は次の通り。
−−第1原発の現場の声を伝えてほしい。
◆昨年の大震災、それから私たちの発電所の事故で福島県の地元の方々に本当にご迷惑をおかけしている。この場で深くおわび申し上げる。まだしばらくこういう状況が続くが、我々も全力を挙げて復旧しており、ご理解をお願いする。本来ならこの講演会に自分で出てきたいと思っていたが、昨年末から病気でずっと入院していてまだ体力が回復していない。そういう中でこういうビデオレターということで失礼する。政府などの事故調査委員会が開催されている中で、なかなか一般のマスコミの方に我々の生の声を届けるわけにはいかないと思っていた。事故調査委員会が一段落するまでは変な形でお話しをすることはルール違反になると私は思っていた。そういう中で(今回)話を聞いていただけるということは大変ありがたいと思っている。
−−発電所からの全面撤退がささやかれている。事実は?
◆しゃべりだすととまらないが、基本的に私が考えていたのは第1原発をどうやって安定化させるかということに尽きる。そういう時に我々が現場を離れるということは絶対にあってはならない。かといって人命は非常に尊いので、関係のない人といったらおかしいが、事故の収拾に直接関与していない人には避難していただく。ただやはり現場で原子炉を冷やしたり、そういう作業をしている人間は撤退できないと思っていたし、本店にも撤退ということは一言も言っていないし、私は思ってもいなかった。本店には一言も撤退と言っていないということは間違いない。事故調にもそう話をしている。あとでいぶかしく思ったが結局、本店と官邸の間でそういう撤退騒ぎが起こっているが現場では一言も絶対そういうことは言っていない。これは間違っていない。
−−自らの命を亡くす覚悟はあったか?(ここまで1〜2ページ) (後の3ページから7ページはこちら)
福島原発の爆発があっていちはやく現地取材に乗り込んだ青山繁晴氏の現地報道によって、この吉田昌郎・福島第1原発前所長の存在を知った。一連の吉田さんのマスコミ報道を見聴きして昔の“武士”みたいな印象をずっと持っていたが、この記事を読んで改めて感動した。
今日、机の上で議論を重ねている人も、首相官邸を取り囲んで原発反対運動をしている人も、この吉田さんが何を訴えたいか、今福島原発に必要なことは何かを知るためにもこの「ビデオ発言」の全文を読んでおいて損はないだろう。熟読したら皆、軽々しい発言は出来ないのではないだろうか!
吉田昌郎さんの一日も早い病状の回復をお祈り致します。
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