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女の気持ち:弟からのメールに 福岡市中央区・弥山千鶴子(会社員・48歳) 毎日jp

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 写真はブログhirax.net::inside out からお借りした 

  


女の気持ち:弟からのメールに 福岡市中央区・弥山千鶴子(会社員・48歳)

毎日新聞 2014年01月16日 西部朝刊

 弟は今度も大みそかから元旦にかけて深夜のコンビニで働いていた。

 大学を卒業後、公務員になったものの5年足らずで理由も言わず突然辞めてしまった。その後も定職に就かず実家で過ごす彼にどう接していいのか分からず、心無い言葉で責めた時期もあった。口下手で人付き合いが苦手な性格だから、仕事も人間関係もうまくいかないのだと私たち家族は思い込んでいた。今になって思えば、彼の心が悲鳴を上げていたことになぜもっと早く気づかなかったのかと悔やまれてならない。

 2年前、知人が近所にできたコンビニで働かないかと弟にすすめてくれた。郊外の国道沿いにある店舗で、夜の10時から翌朝までのアルバイトがなかなか見つからないという。接客の仕事など経験もなく、昼夜が逆転した生活の中で働き続けるのは無理だと私は内心思っていた。ところがほとんど休むこともなく、そのコンビニで週に5日の深夜勤務を続けている。

 「田舎のコンビニなんて夜中にお客さん来ないし、暇でしょ」と聞くと、「深夜に商品が届くし、トラックも通るから案外忙しいよ」と言っていた。

 随分痩せて洋服のサイズが合わなくなったと母から聞き、年末に実家に送る荷物の中に厚手のズボンを2本入れた。年が明けて弟から「暖かくて助かります」と短いメールがきた。

 ただただ穏やかな1年が過ごせるようにと願う。



 私の身の周りでも、実に多くのこの弟さんのような境遇の人の話を聞く。若者に我慢が足りないのか、今の社会が若者に無理難題を言い付けるのか?

 雇用側にとっては世は買い手市場。誰か辞めても、すぐ代わりは見つかるみたいに若者を大事にしない。それと時代は「非正規雇用」ばかり。日本経済は、アベノミクスは彼らの上に乗っかって、そら「上向いた」とか「基本給が上がった」なんて言っているんだと思う。

 もう一度、上の記事を読みかえしたら涙ぐんでしまった。でも弥山千鶴子さん、弟さんが落ちつけてよかったですね。私の病院で治療している姉の私への思いやりも思い出しました。私も故郷は福岡市ですよ!

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