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余録 国民生活より軍備充実を露骨に求めた代表的な政治家がナチス・ドイツのゲーリングだ… / 毎日新聞

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1941年4月21日。左からヴァルター・フォン・ブラウヒッチュ元帥、ゲーリング国家元帥、エーリヒ・レーダー提督、ヒトラー~ウィキペディアから

毎日新聞 2023/1/16 東京朝刊

 国民生活より軍備充実を露骨に求めた代表的な政治家がナチス・ドイツのゲーリングだ。「諸君はバターを欲しいのか、それとも大砲か。軍備こそ我々を強力にする。バターは太らせるだけだ!」と自分の腹をたたいて聴衆を沸かせ、主張を巧みに浸透させた

大統領専用機内で大統領就任の宣誓をするジョンソン。右はケネディ夫人のジャクリーン。~世界史の窓から

第二次大戦後、こうした暴論は一部の独裁国家などに限られるようになった。代わって「大砲もバターも」を推し進めたのが1960年代のジョンソン米大統領である。貧困層への福祉拡充までは良かったが、ベトナム戦争をエスカレートさせて、巨費をつぎ込んだ

▲いくら超大国でも膨大な財政赤字には耐えられない。ドルの信用は急落し、インフレが激しくなった。ベトナム戦争も泥沼化し、ジョンソンは再選出馬を断念した

首相年頭会見 「異次元の少子化対策」と経済好循環、重点政策に

▲今「大砲もバターも」の道を歩み始めたように見えるのは岸田文雄首相だ。防衛力の抜本強化を唱え、予算倍増を決めた。今度は子ども向けの予算も倍にするという

▲少子化対策に本格的に取り組むのなら歓迎だが、肝心の財源は後回しだ。防衛費を優先したしわ寄せで、もともと乏しい財源がさらに足りなくなるのではないか。借金財政が一段と深刻化しかねない

▲米国はジョンソン政権後もドルの信用不安が止まらず、「ニクソン・ショック」と呼ばれるドルの大幅切り下げを余儀なくされた。日本も財政不安が高まれば、将来世代に重いツケを残す。来週から始まる国会では「大砲もバターも」がもたらす問題をしっかり議論してもらわねばなるまい。

 防衛費の増額はアメリカのバイデン大統領に報告してきたばかりだよね!さて今度は「子ども向けの予算も倍にするという」とか。それこそNHK大河ドラマ「どうする家康」みたいだね。

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