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土記  第7波の政治判断=青野由利 / 毎日新聞

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毎日新聞  2022/7/30 東京朝刊 有料記事

記者団の質問に答える岸田文雄首相=首相官邸で2022年7月29日午後7時19分、竹内幹撮影 

<do-ki>
 欧米に倣って「行動制限はしない」と魔法の呪文を唱えれば、何もしなくても社会経済活動は回り、重症者や死者も増えない?

 まさかそんな根拠のない楽観に従ったはずはないと思うが、このところの政府の新型コロナ対応を見ると疑いたくもなる。

 もちろん、政治的判断が科学的判断と異なることはありうる。

 その場合には、「科学的判断はこうだが、政治的にはこれをめざしてこうする」と説明する必要がある。その際、メリットとデメリットをどうてんびんにかけたのかも明確に語ってもらいたい。

 さんざん指摘されてきたことだが、第7波の感染爆発に直面し、政府がどういう戦略で臨んでいるのか、さっぱりわからない。

 BA・5はこれまでで最も感染力が強く、免疫もすり抜ける。従来通りの対策なら感染者が急増することに何の不思議もない。

 それでも、「重症化しにくいから社会経済活動の維持に軸足を移す」と政治判断したなら、「重症化しない人は検査・診療を控え、救急車を呼んだりしないで」といった求めもセットで必要になる。でも、それを可能にする方策を事前に講じた形跡はない。

 その結果、重症化リスクの高い人やコロナ以外の救急患者が医療にアクセスしにくくなる。すでに過去に学んだはずのことだ。

 感染者や濃厚接触者が増えればその影響で社会が回らなくなるのも当然と言えば当然。そこで政府が打った対策は「濃厚接触者の待機期間の短縮」だ。原則7日間を5日間とし、2回の検査で陰性なら3日目の解除も可能とした。

 確かに助かる場面はあるだろう。だが、科学的には?

 今週、厚生労働省の専門家会合に出されたオミクロン株のデータでは、濃厚接触者で感染した人のうち3日以内に発症した人は半数だけ。5日目以降に発症した人が2割弱いる。感染していても発症前だと検査陰性の割合が高いとのデータもある。

 結果的に待機期間の短縮は社会全体の感染拡大リスクを高めることにつながる。「濃厚接触から7日間は人にうつさない予防策を」と専門家は訴えるが、政府からのメッセージは弱い。

 ここへきて、政府は都道府県の「対策強化宣言」支援を打ち出したが、遅きに失した感がある。高齢者などに的を絞った行動抑制という根拠の薄い内容も含まれる。

 日本は欧米とは既感染者の割合も医療体制も文化も違う。いずれウイルスと共生する時はくるとしても、今は社会全体で感染を抑える時だと思う。(客員編集委員)

 新型コロナBA・5の感染拡大を止めて下さいよ!宮城県が新型コロナの感染者「BA.5対策強化宣言」の実施を決めたと聞くけど、地方行政府に丸投げして国の感染拡大が抑えれるものではないでしょう。沖縄、東京、大阪の感染拡大も放置ですか?国民一人一人の命を預かっているのが国だと思っていたが、それよりも国葬の方が大切なわけなんですね! 


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