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映画『ホタル』2001年 / NHKBSP

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ストーリー
鹿児島県知覧。カンパチの養殖を生業としている山岡(高倉健)は、肝臓を患い透析を続けている妻・知子(田中裕子)とふたり暮らし。子供がいない彼らは、漁船“とも丸”を我が子のように大切にしている。激動の昭和が終わり、平成の世が始まったある日、山岡の元に青森に暮らす藤枝(井川比佐志)が雪山で自殺したとの報せが届いた。

山岡と藤枝は共に特攻隊の生き残りだった。それから暫く後、山岡はかつて特攻隊員に“知覧の母”と呼ばれていた富屋食堂の女主人・山本富子(奈良岡朋子)から、ある頼みを受ける。それは、体の自由が利かなくなった自分に代わって、南の海に散った金山少尉、本名、キム・ソンジェ(小澤征悦)の遺品を、韓国の遺族に届けて欲しいというものだった。実は、金山は知子の初恋の相手で、結婚を約束した男でもあった。

複雑な心境の山岡は、しかし知子の余命が長くて一年半だと宣告されたのを機に、ふたりで韓国へ渡ることを決意する。だが、金山の生家の人たちは、山岡夫妻の訪問を決して快く迎えてはくれなかった。それでも、山岡は遺族に金山の遺品を渡し、彼が残した遺言を伝えた。金山は日本の為に出撃したのではなく、祖国と知子の為に出撃したのだと。

やがて歳月は流れ、21世紀。太平洋を臨む海岸に、その役目を終えた愛船・とも丸が炎に包まれていくのを、ひとり見つめる山岡の姿があった。~映画.com

  久しぶりに114分間見入ったね。あれあれ高倉健さんに田中裕子さんは大好きな映画『あなたへ』2012年以前に共演していたんだ!ありゃ降旗康男監督もいっしょだったのか。映画の背景は石原慎太郎氏の原作、製作総指の映画『俺は、君のためにこそ死ににいく』2007年によく似ているが、こちらが後に作られているんだ。

 私は、1900年生まれの職業軍人の父が南の島から戻って来た後に生まれいるので、関口宏のもう一度 近現代史も複雑な思いを抱きながら観ているが、似たような気持ちも持って米艦隊への特攻隊機の実写映像もたくさん拝見した。映画の中では朝鮮出身の特攻隊員・金山少尉の話を大きく取り上げているし、会話の中では台湾出身者のことも何回か出てくる。

 ウイキペディアの映画欄には「反戦映画に仕立てられたホタル」(『諸君!』2001年9月号)、その一年後、それを読んだという朝日新聞社の幹部が「そろそろ話しても良い頃だと思う」と以下の趣旨の手紙を寄越したなどの記述があるが、反対に映画『俺は、君のためにこそ死ににいく』の方は、「太平洋戦争賛美・右翼的表現の多い映画ではないか?」とする意見もあるんだとか。

 さ~て私は?(笑)、史実の断片として冷静に観ておくべき作品だと感じた。



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