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余録  音速の倍を超える巡航速度を誇る英仏共同開発の… / 毎日新聞

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羽田空港でのコンコルド~通商産業省 

  

毎日新聞 2020年10月31日 東京朝刊

 音速の倍を超える巡航速度を誇る英仏共同開発の超音速旅客機コンコルドが就航したのは1970年代である。その名は航空史だけでなく経営論でも残されたが、ただし後者は「誤り」という言葉とセットだった

▲「コンコルドの誤り」とは、過去に投じた資金や労力を惜しんで将来損失が見込まれる事業を止められないことをいう。環境問題や航空需要の変化で採算が取れないと分かりながら、巨費を投じたコンコルド開発が進められたからだ

▲そんな不吉な言葉も思い起こされるコロナ禍下での旅客機開発の成り行きである。国産初のジェット旅客機として話題と期待を集めてきた三菱のスペースジェットの開発費の大部分が削減され、開発は凍結されることになったという

▲もともと2013年には初号機納入予定だった同ジェットである。だが欧米の安全基準を満たす「型式証明」取得に多数の設計変更が必要となり、6度も納期延期を重ねてきた。ようやくその試験機が完成した直後のコロナ禍だった

▲先日は同ジェットの納入予定先のANAの5000億円規模の赤字見通しが報じられた。コロナ禍で今年の世界の航空需要は大幅減、回復には4年程度かかるという予測を聞けば、新型機の需要見通しの厳しいことは誰にでも分かる

▲三菱重工は将来の開発再開を強調しているが、コンコルドの誤りも避けたいだろう。経営陣はスペースジェットの名をどう後世に残すことになるのか。未来の航空史と経営論の執筆者が見つめている。
  
 コロナ禍の世の中は、聞くところの関東大震災や戦後の世の中を見ているようだね。もちろん三菱重工やANAも大打撃だとは想像するが、この二つ大企業で食ってきた下請け会社と従業員とその家族のことも忘れないで欲しいね。新政権は携帯電話料金を値下げとかなんとか言って一部の国民を喜ばせるとは思う。が、「安倍政権の取り組みを継承する」というのなら成長戦略という国家的課題も忘れないで欲しいね。

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