「ぴったんこカン・カン」の司会を務めて17年。目標の「番組は長く続ける」を成し遂げるのは簡単ではない=東京都港区で、北山夏帆撮影
毎日新聞 2020年4月17日 東京夕刊
新型コロナウイルスの感染拡大で、テレビ局では放送スケジュールの変更が相次いでいる。周囲が右往左往する中、それでも看板アナウンサーに動じる様子はない。受け答えは当意即妙、おなじみの笑顔で場を和ませる。
司会を務める「ぴったんこカン・カン」の撮影終わり。湯気の上る自動販売機のコーヒーでひと息つく。決済は交通系ICカード。ん? 「スイカ」ではなく「キタカ」とある。「北海道出身ですから。このカードを持って、経営が逼迫(ひっぱく)するJR北海道を応援する気持ちを忘れないように」。私の地元の留萌線も廃線の危機にある。さすが、同郷の星。とても頼もしい。
帯広市生まれ。中島みゆきさんやドリームズ・カム・トゥルーの吉田美和さんらを輩出した地元の進学校を卒業し、上京して明治大に進学。「新・情報7daysニュースキャスター」で共演中の同大の斎藤孝教授は学生時代の恩師。「その先生と番組ができたり、一緒に本を出すことになったり。うれしい限りです」。入社24年目を迎え、東京オリンピックのTBS総合司会という大役も決まった。
働き詰めの毎日だが、休みがあればふらり、一人旅に出る。47都道府県のほぼ全てを巡った。有名観光地ではなく、知らない街を訪ねることに喜びを感じる。最近では山形県新庄市、長崎県佐世保市、新潟市など。「ただ街並みを見て、一人でふんふんと言って、最終的にはこの街はどんな人を生み出したのかを想像する。電車内でスマホではなく文庫本を開いている人が多ければ、文学のにおいを感じ、調べてみたらやっぱり文豪の出身地だったとか」
ノートを携行し、見たものや感じたことをカリカリとメモする。のぞいてみると、場所ごとにペンで色分けされ、きちょうめんな文字で旅先のあれやこれやが書き留められている。
「そう、奄美大島もよかったんですよ」。大島といえば、ウミガメのいる青い海、マングローブの原生林で知られるが、一人旅の達人は着眼点が違う。ノートにはこうつづられている。<なぜか、お好み焼き屋さんがたくさんある。大阪に働きに出た人が島に戻ってきたためだと聞いた。古い日本が辛うじて残っていて、昭和の炭鉱街のような雰囲気がある。ラーメン博物館のセットが動き出したような高揚だ。俺は有頂天だ>
旅先には、インターネットでは得られない生の情報がある。
一人旅、と強調しているが46歳の独身、浮いた話があるのかどうか、気になる。「うふふふ。結婚しない宣言をしたわけでも、独身主義でもなくて。本当はきちんと家庭を持つタイミングもあったんですけど。家庭を持たなくても快適に暮らせる時代の恩恵にあずかったり、周りにスタッフがいるので寂しさを紛らわせたり。ただ、早いうちにとは思っております」
親戚のように結婚を心配してくれる視聴者もいる。「ありがたいですよね。仕事を始めてから今まで、ずっと見てくれる人がいるのは恥ずかしいけれどもうれしい。まるで漫画の主人公の『島耕作』のように、私のサラリーマン人生に興味を持ってくださって」。行きつけのとんかつ屋は「昇進おめでとうございます。カニクリームコロッケ、付けておきました」とサービスしてくれた。
名刺には<局次長待遇>とある。「がむしゃらな時代も楽しかったけれど、今は得たものを後輩に渡す時期にきている。1日に例えると、午後4時半ぐらいの感覚です」。メディアは今が曲がり角。それが自分の人生と重なるという。「パーソナルな部分を極力控えてやってきましたが、今度は自分が本当に感じていることをストレートに表現してみたいという思いもあって。日本を代表するアナウンサーになるため、いわば自分を犠牲にすることはある程度、いとわない気持ちでいます」。やはり、ワーカホリックな人なのである。【鈴木梢】
■人物略歴
安住紳一郎(あずみ・しんいちろう)さん
1973年、北海道生まれ。97年、TBS入社。「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」やラジオ「安住紳一郎の日曜天国」などのレギュラー司会は10年を超える。斎藤孝氏との共著「話すチカラ」(ダイヤモンド社)は12万部超。
彼、嫌いなわけではないのだが、あんまりテレビ番組を観たことないんだな。ひょうひょうとして何か憎めないキャラクターだよね。「ぴったんこカン・カン」って久米宏氏がやっていた番組かな~と検索したらやはり初代司会者と書いてあった。「原型となった番組(ぴったし カン・カン)名前が違った(汗)」のリンク先にあるのでたぶん内容は安住氏が塗り替えてしまっているんだろうね。ん?「新・情報7daysニュースキャスター」は、明晩10時からというから早速観てみようかな!安住さん頑張れ!そして早く家庭を持ちなはれ!また違った味が出ると思いますよ。
毎日新聞 2020年4月17日 東京夕刊
新型コロナウイルスの感染拡大で、テレビ局では放送スケジュールの変更が相次いでいる。周囲が右往左往する中、それでも看板アナウンサーに動じる様子はない。受け答えは当意即妙、おなじみの笑顔で場を和ませる。
司会を務める「ぴったんこカン・カン」の撮影終わり。湯気の上る自動販売機のコーヒーでひと息つく。決済は交通系ICカード。ん? 「スイカ」ではなく「キタカ」とある。「北海道出身ですから。このカードを持って、経営が逼迫(ひっぱく)するJR北海道を応援する気持ちを忘れないように」。私の地元の留萌線も廃線の危機にある。さすが、同郷の星。とても頼もしい。
帯広市生まれ。中島みゆきさんやドリームズ・カム・トゥルーの吉田美和さんらを輩出した地元の進学校を卒業し、上京して明治大に進学。「新・情報7daysニュースキャスター」で共演中の同大の斎藤孝教授は学生時代の恩師。「その先生と番組ができたり、一緒に本を出すことになったり。うれしい限りです」。入社24年目を迎え、東京オリンピックのTBS総合司会という大役も決まった。
働き詰めの毎日だが、休みがあればふらり、一人旅に出る。47都道府県のほぼ全てを巡った。有名観光地ではなく、知らない街を訪ねることに喜びを感じる。最近では山形県新庄市、長崎県佐世保市、新潟市など。「ただ街並みを見て、一人でふんふんと言って、最終的にはこの街はどんな人を生み出したのかを想像する。電車内でスマホではなく文庫本を開いている人が多ければ、文学のにおいを感じ、調べてみたらやっぱり文豪の出身地だったとか」
ノートを携行し、見たものや感じたことをカリカリとメモする。のぞいてみると、場所ごとにペンで色分けされ、きちょうめんな文字で旅先のあれやこれやが書き留められている。
「そう、奄美大島もよかったんですよ」。大島といえば、ウミガメのいる青い海、マングローブの原生林で知られるが、一人旅の達人は着眼点が違う。ノートにはこうつづられている。<なぜか、お好み焼き屋さんがたくさんある。大阪に働きに出た人が島に戻ってきたためだと聞いた。古い日本が辛うじて残っていて、昭和の炭鉱街のような雰囲気がある。ラーメン博物館のセットが動き出したような高揚だ。俺は有頂天だ>
旅先には、インターネットでは得られない生の情報がある。
一人旅、と強調しているが46歳の独身、浮いた話があるのかどうか、気になる。「うふふふ。結婚しない宣言をしたわけでも、独身主義でもなくて。本当はきちんと家庭を持つタイミングもあったんですけど。家庭を持たなくても快適に暮らせる時代の恩恵にあずかったり、周りにスタッフがいるので寂しさを紛らわせたり。ただ、早いうちにとは思っております」
親戚のように結婚を心配してくれる視聴者もいる。「ありがたいですよね。仕事を始めてから今まで、ずっと見てくれる人がいるのは恥ずかしいけれどもうれしい。まるで漫画の主人公の『島耕作』のように、私のサラリーマン人生に興味を持ってくださって」。行きつけのとんかつ屋は「昇進おめでとうございます。カニクリームコロッケ、付けておきました」とサービスしてくれた。
名刺には<局次長待遇>とある。「がむしゃらな時代も楽しかったけれど、今は得たものを後輩に渡す時期にきている。1日に例えると、午後4時半ぐらいの感覚です」。メディアは今が曲がり角。それが自分の人生と重なるという。「パーソナルな部分を極力控えてやってきましたが、今度は自分が本当に感じていることをストレートに表現してみたいという思いもあって。日本を代表するアナウンサーになるため、いわば自分を犠牲にすることはある程度、いとわない気持ちでいます」。やはり、ワーカホリックな人なのである。【鈴木梢】
■人物略歴
安住紳一郎(あずみ・しんいちろう)さん
1973年、北海道生まれ。97年、TBS入社。「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」やラジオ「安住紳一郎の日曜天国」などのレギュラー司会は10年を超える。斎藤孝氏との共著「話すチカラ」(ダイヤモンド社)は12万部超。
彼、嫌いなわけではないのだが、あんまりテレビ番組を観たことないんだな。ひょうひょうとして何か憎めないキャラクターだよね。「ぴったんこカン・カン」って久米宏氏がやっていた番組かな~と検索したらやはり初代司会者と書いてあった。「原型となった番組(ぴったし カン・カン)名前が違った(汗)」のリンク先にあるのでたぶん内容は安住氏が塗り替えてしまっているんだろうね。ん?「新・情報7daysニュースキャスター」は、明晩10時からというから早速観てみようかな!安住さん頑張れ!そして早く家庭を持ちなはれ!また違った味が出ると思いますよ。