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本 / 『終わった人』 内館牧子  著

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商品の説明
内容紹介
定年って生前葬だな。
衝撃的なこの一文から本書は始まる。
大手銀行の出世コースから子会社に出向させられ、そのまま定年を迎えた主人公・田代壮介。仕事一筋だった彼は途方に暮れる。年下でまだ仕事をしている妻は旅行などにも乗り気ではない。図書館通いやジムで体を鍛えることは、いかにも年寄りじみていて抵抗がある。どんな仕事でもいいから働きたいと職探しをしてみると、高学歴や立派な職歴がかえって邪魔をしてうまくいかない。妻や娘は「恋でもしたら」などとけしかけるが、気になる女性がいたところで、そう思い通りになるものでもない。
これからどうする?
惑い、あがき続ける田代に安息の時は訪れるのか?
ある人物との出会いが、彼の運命の歯車を回す──。
シニア世代の今日的問題であり、現役世代にとっても将来避けられない普遍的テーマを描いた話題沸騰必至の問題作

  

ふと手に取った本がこんなに面白いとは!小父さんもリタイアして12年も経ったが傑作だね~。退職直後の状況が小父さんとイクオールではないけど、仕事がある日から無くなってしまうってこういうことなんどろうね!

 その夜、俺は一人で夕食をとった。スーパーで買ってきた刺身、出し巻き卵、筑前煮だ。これにぬるめの燗酒をやる。しみるようにうまい。テレビでニュースを見ながら、ゆっくり一人でとる夕食、悪くない。チンするだけでホカホカの銀シャリになるメシを食い、湯を入れるだけでアツアツの味噌汁になる椀を飲み、これなら妻もいらないなと半ば本気で思った。気を遣うだけストレスがたまる。いい気分になって、締めのブランデーをやるかと立ち上がった時、千草が帰って来た。

 帰って来たか・・・・・・。ふと、夫を鬱陶しがる妻の気持ちが理解できた。(24~25頁)

 いやはや、ここに書き留めたいので今158頁だが、370頁まであるよ。もう政治よりドキュメンタリーより歴史より楽しい!ん?過去に目にした『十二単衣を着た悪魔』は誰だっけ?とめくったらやはり内館牧子さん、おまけに 『寝たふりしてる男たち』もそうだった。あれ、秋田弁がやたらと出てくると思ったら内館さんの出身地だったのか。映画まであったんだ~!小父さんって相当遅れているな~。そうだ、そうだ、つい先日まで朝ドラの再放送 「あさが来た」を、その前は 「刑事コロンボ」を楽しみにしてたんだから!(笑) 

   

映画『終わった人』予告編
  

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