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余禄: それは頂上の岩にある人の足跡のような形の穴である・・・・ / 毎日新聞

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宗派を超えた聖地・英語名アダムス・ピーク(写真はブログ「紅茶時間でございます。」からお借りした) 
 
  宗教(英: religion)とは、一般に、人間の力や自然の力を超えた存在を中心とする観念であり、また、その観念体系にもとづく教義、儀礼、施設、組織などをそなえた社会集団のこと(wiki)だそうだが、スリランカ同時爆破テロにいたっては、イスラム過激派組織により高級ホテルとキリスト教の教会、合わせて6か所でほぼ同時に爆発させ、何の関わりもない家族でホテルで朝食をとっていた日本女性一人まで巻き添えになってしまった。23日現在で死者がさらに増えて321人(少なくとも31人が外国人)になったという。ニュージーランドで先月、イスラム教の礼拝所が襲撃され、50人が死亡した銃の乱射事件に対する報復なんて全く理解が出来ないね。自爆テロが大半だということは、よく耳にする「神は偉大なり」でやはり宗教心からのテロなのか!?

 日本の旅行社の人もスリランカは治安がいいのだと語っていたんだが! 

   

毎日新聞 2019年4月23日 東京朝刊

 それは頂上の岩にある人の足跡のような形の穴である。仏教徒はブッダの足跡だといい、ヒンズー教徒はシバ神のものと信じている。イスラム教徒とキリスト教徒には人類の祖アダムの足跡と信じられている

▲スリランカ第2の高峰スリー・パーダ(シンハラ語で聖なる足跡)は英語名アダムス・ピーク。宗派を超えた聖地となり、険しい山道を老若男女が登る。その昔には、マルコ・ポーロもイスラムの旅行家イブン・バットゥータも訪れた

▲その旅行記には当時から急坂には鎖が備えつけられ、異教徒が一緒に参拝する様子が描かれている。この島の宗教の多彩さとその共存を象徴する聖山である。そんな歴史と人々の日常を切り裂くように噴き出した悪意と暴力であった

 
スリランカ同時テロの現場と死者数 

▲狙われたのはキリスト教会や外国人の多い高級ホテルだった。スリランカのコロンボと近郊の計8カ所で起きた爆発は多くは自爆テロで、日本人1人を含む300人近い命を奪った。同国国防相は「宗教的過激組織」の犯行と述べる

▲仏教徒が大半のシンハラ人主導の政府とヒンズー教徒の多いタミル人過激組織の内戦は10年前に終息している。近年も仏教徒によるイスラム教徒襲撃などがあったが、これほど高度に組織されたテロ攻撃は当局の想定外だったようだ

▲宗派間の不信をあおり、恐怖によって人々の心の支配を図るテロの非道だ。何事もなく時を積み重ねる聖山のように、諸宗派住民の共生する日常を静かに守り抜くスリランカ国民の「テロとの戦い」である。 

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