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余禄 その夜、川端康成は家の書斎に一人閉じこもっていた / 毎日新聞

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未来屋書店/Bookmark Lounge cafe 高崎オーパ店
  
 「読書の秋」なんだね。せめてあと2冊くらいは目を通さなければ・・・。特に、文庫本を深夜にひらくと読み取れなかったり、読んでいる行と隣の行がごっちゃになったり。一番困るのは瞼がくっ付いてしまうこと!(笑)

 テレビとPCがどんどん怠け者にしていく。AI(人口知能)なんかが発達していった社会では人は椅子に座ってじっとしていれば生活できるのかな?面白みのない生活だと思うけどね。川端康成さんに大江健三郎、そして村上春樹さんなんて、机を前にしてうんうん唸っていただろうね。

 お~っと、13世紀の道元禅師なんて、まだ何もないところから近代哲学者を唸らせるような教え生み出したんだよね。もし、タイムトンネルで降りて来てカフェ付きの書店にやってきたら、「喝」を連発するかな?

   

余禄 その夜、川端康成は家の書斎に一人閉じこもっていた 

毎日新聞  2018年10月15日 東京朝刊

その夜、  川端康成は家の書斎に一人閉じこもっていた。座敷や茶の間に顔を出せば、報道陣から写真を撮られ続けるうえ、質問攻めに遭うからだ。1968年10月17日、ノーベル文学賞発表の日のことだった

▲気持ちを落ち着かせるためか、川端は一句したためている。<秋の野に鈴鳴らし行く人見えず>。巡礼の鈴の音が秋の野に聞こえるけれど、その巡礼の姿は見えない。言葉遊びだ。「野」(の)と「鈴」(ベル)で「ノオベル」。吉報は届いた

▲あれから50年後のノーベル賞を期待された  村上春樹さんだったが、今年は世界のどの作家にも吉報のベルが鳴ることはない。選考するスウェーデン・アカデミーのメンバーの夫によるセクハラや情報漏えい疑惑の影響である

▲権威が落ちるのは避けられない文学賞ではあるが、来年こそはと期待してしまう。当時、川端は「この賞を受けていい作家は日本にもちろんいく人もいる」と書き、こう詠んだ。<先づ一羽鶴渡り来る空の秋>。  大江健三郎さん以来の3羽目の鶴はいつ飛び立つか

▲賞はさておき、読書人口の減少が心配だ。それでも書店にカフェを併設したり、催しを開いたりして客を呼び込む所もある。本の紹介や陳列に工夫を凝らす図書館も増えてきた

▲川端はストックホルムの授賞式で「美しい日本の私」と題して講演した。その中で道元(どうげん)の歌を引き、日本の美意識を紹介した。<春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえて冷(すず)しかりけり>。読書の秋。日本人が灯火親しむ季節だ。






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