妻の小林麻央さん(34歳)が亡くなり、記者会見する市川海老蔵さん(39歳)(右奥)=東京都渋谷区で2017年6月23日午後2時43分、丸山博撮影
毎日新聞 2017年6月23日
最期の言葉は「愛してる」だった。乳がんで闘病し、34歳で亡くなったフリーアナウンサーの小林麻央さんの夫で、歌舞伎俳優の市川海老蔵さん(39)が23日午後、東京都内で記者会見し、妻への感謝を語った。ブログで前向きに病と向き合う姿をつづり、多くの人から共感が寄せられていた麻央さん。海老蔵さんは涙を拭いながら「すごい人だな」と振り返った。
海老蔵さんは、公演中の劇場で会見に臨んだ。昼と夜の公演の合間を縫う形で、時間は20分に限られた。報道陣約400人を前に、黒いスーツとネクタイで一礼。気持ちを落ち着けるように、赤く腫らした目で遠くを見たり、視線を手元に落としたりしながら「昨日夜に妻麻央が旅立ちました」と切り出した。
麻央さんは21日までは笑顔で話せていたというが、22日に麻央さんの母から「具合が悪い」と連絡を受け、外出先から自宅に戻った。麻央さんは呼吸が苦しそうだったという。「息を引き取る瞬間、本当に不思議だけど、彼女が『愛してる』と言った」と明かし、目頭を手で押さえた。「それでそのまま旅立った。最後の最後まで愛してくれていた」。5歳の長女と4歳の長男ら、家族も一緒にみとることができたという。
麻央さんがブログで闘病生活を記してきたことに触れ、「同じ病の人や苦しんでいる方々と悲しみや喜びを分かち合う妻は、すごい人だなと。『元気になったら、多くの人を救えるような存在になりたい』と、一生懸命闘病した」とたたえた。
「決してぶれず、どんな時でも自分より相手を思いやる優しさがあった。僕を変えた奥さんだった」。麻央さんの存在をそう振り返り、「子供のことが心残りだと思う。できる限りのことをやっていく」と誓った。最後は「応援してくださった方々、ともに闘っておられる方々のそばに麻央はずっといると思う」と締めくくり、ハンカチを目にあてながら退場した。【安高晋】
合 掌
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